映画は、手軽に非日常を味わえる、素敵な娯楽です。
しかしHSPにとっては、感情を揺さぶる映画は観るのが辛いことも。
HSPである私も、映画は苦手です。
架空の話とわかっていても、痛ましい話や悲しい話は辛い。
イヤなら観なければいいのですが、我が家は夫が映画好き。
一緒に映画を観て、感想を話して…という趣味の共有を望んでいます。

そんな夫に応えたい。
でも映画は苦手。
そんな私が、なるべくしんどい思いをせずに映画を観る方法を模索してきました。

まだまだ研究中ですが、同じ悩みをもつ方の参考になればと思います。
映画を観ると辛くなる理由
なぜ映画を観ると辛くなるのか、整理しておきます。
私の場合は、という前提になります。
感情移入しすぎる
映画は映像・音楽・台詞・効果音と、めいっぱいの情報で映画の世界に引きずり込んできます。
HSPはそれら全てを人一倍敏感なアンテナで受け止めますので、あっという間に・深くその世界に没入します。
そのため、優しい気持ちになれる幸せなシーンでは人一倍感動しますが、辛い悲しいシーンでは人一倍傷つきます。
その感情の起伏が激しすぎるために、疲れてしまうというわけです。
そんなに違うの?と思う方もいるかもしれません。
本当に違います。HSPはとても細かいところもよく観ています。
私たち夫婦(私のみHSP)の例
とある映画で、虐げられていた過去のワンカットが写された時、HSPである私は以下のように感じ取りました。
・ヒロインが檻の中でうずくまっている…なんて酷い仕打ちだ
・この檻は屋外にあるようだ、雨風や日照りに晒されてさぞ辛いだろう
・ボロを着て身体は汚れ髪もボサボサだ…とびきりの美人がこんな有様になるほど、粗雑な扱いを受けているんだな
1秒に満たないほどのカットです。
観終わった後に、夫に
「ラストはあの檻で仕返しができてよかった。
しかし檻で受けてきた仕打ちはやっぱり惨すぎる、それを思い出して辛くもあった」
とこのシーンのことを絡めて話したら、
「え、檻ってなんのこと?ラスト以外で映ってた?」
と返されました。
私はその一コマだけでも心がしんどくなって気持ちが落ち込んだのに、夫は檻が映ったことすら認知していませんでした。
このカットを見逃していたわけではなく、さらっと流していた?ようです。

ワンカットから受け取る情報の差に驚いたエピソードです。
マイナスの感情を与える映画を観ている
観る映画そのものが、刺激的で辛くなりやすい映画という場合もあります。
映画であれば、大小の差はあれど、気持ちを揺さぶってくるものです。
その中でも、理不尽な目に遭ったり、辛く悲しいことが続いたりと、マイナスな気持ちにさせるシーンが多い映画はHSPには不向きなことが多いです。
私はそもそも観ませんが、ホラーやサスペンスも向いていないと思われます。
辛くならずに映画を観る方法
私が実践している、「辛くならずに映画を観る方法」をまとめます。
効果が大きくおすすめな順に星をつけました。
大まかには、以下の二つに分けられます。
・映画から受け取る刺激を減らす
・映画を観る心の準備をする
別の作業をしながら観る ★★
座ったままできる簡単な作業をしながら観ます。
私が自宅で実践している作業は以下の通りです。
・子どものオムツに名前を書く
・引き出しをひとつ出してきて片付ける
・卓上ゴミ箱代わりのチラシ箱を折る
・書類を整理する
・洗濯物を畳む
映画館で観る場合は、飲食に気を向けたり、内腿にハンカチを挟みつづけてこっそり筋トレしたりしても良いかもしれません。
手や体を動かしていれば、映画に割く意識を減らせます。
自分が生きている現実にも意識を置けるので、映画に没入しにくくなります。
大きな音がしにくい作業・狭い範囲でできる作業に限りますが、簡単かつしっかりと効果がある方法です。
ネタバレや感想を調べておく ★★★
観る前に、自分の気が済むまでネタバレを調べておきます。
先の展開がある程度わかっている方が、いきなり辛い思いをするよりダメージが少ないです。
ネタバレが嫌な場合は、感想をいくつか読んでおくだけでも効果があります。
その映画を観るとどんな気持ちになるのか予想できるからです。

苦手な演出や好みの演出を共有しておく ★〜★★
「苦手なのは理解しているが、それでも一緒に映画を観たい」と主張するパートナーがいる人向けの方法です。
自分が苦手なシーンや好みの展開などを共有し、一緒に観る映画を選定する時の参考にしてもらいます。
嫌なパターンだけ伝えるのではなく、あの展開は好みだなど、プラスの情報も伝えるのがおすすめです。
一緒に映画を観た後、感想を話しながら伝えるとスムーズです。
ワイワイ話しながら観る ★
自宅など、音を出していい環境に限りますが、その場で感想を話しながら見るのも辛さを和らげてくれます。
パートナーの背に隠れたり、子どもを抱っこしたり、スキンシップをとりながら観ると特にラクになります。
いずれも、映画の世界に没入しすぎるのを軽減します。
お気に入りの安定剤と一緒に観る ★
自分の気持ちを癒してくれるものと一緒に観ると、何もないよりはマシになります。
・好みのお茶
・美味しいお菓子
・ふわふわのぬいぐるみ
・好みのアロマオイル
“自分が受け取る刺激が、映画だけにならないようにする”のがポイントです。
味覚、嗅覚、触覚は自分好みの優しいものを感じ取れるように準備します。
観たくないシーンは席を立つ ★
究極かつ極端な対策になりますが、嫌なシーンが来るとわかった場合は、いっそ離席してしまうのもアリです。
お手洗いに行ったり、飲み物を用意したりすると気分が変わります。
自分が好きな映画を観る ★★★
「映画を観る」ということが避けられないなら、相手ではなく自分が映画を選ぶのもおすすめです。
ジブリは大人が観ても十分楽しめますし、観たことがある映画なら刺激も少なくすみます。
もしくは、あらすじやネタバレを調べて「これなら比較的マシ・これなら観てみたい」という映画を選びます。
あらかじめ日時を決めて観る ★?
これはまだ実践中です。
家事が終わってひと段落…という癒しのリラックスタイムに「映画でも観る?」と刺激を持ち込まれるよりは、
“日曜朝は映画の時間”などとタイミングを決めておき、覚悟を決めて観る方が負担が少ないかも…と思い、実践しています。
観ないに越したことはないので効果は掴みきれていませんが、
・突然嫌な刺激を持ち込まれる
・断り続けてパートナーが気分を悪くする
こういったことは減らせるので、総合的にはよい方法な気がしています。
まとめ:映画に没頭しすぎないことが大切
映画に没頭しすぎると、感情が激しく揺さぶられて辛くなります。
没頭しすぎないように、あの手この手で映画の刺激を減らしましょう。
視覚と聴覚は映画に取られますが、味覚嗅覚触覚は別のことに使えます
また、先の展開が読めないとつい集中してしまうので、ネタバレや感想をあらかじめ調べておくのもオススメです。